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有給休暇って取得していいの?→なかなか変化しない有給取得率と取得に対するためらいの実態

有給休暇取得の心の壁

とある日の昼下がり。A君とB君が夏休みについて談笑しています。

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A君は有給休暇と夏季休暇をくっつけて大型連休を取って海外旅行を計画しています。一方、B君は仕事でミスをしたから休み辛いとポロリ。

そんなB君を見てA君は疑問に思っています。

なぜ休むことを躊躇っているんだ?仕事のミスと休むことは無関係では?と。

むしろミスがあったなら、気分転換に休んでリフレッシュした方がいいんじゃないか、とも思っているでしょう。

けれど、実際に有給休暇を気兼ねなく使える人の方が少数派の時代が長かったせいか、未だに取得にためらいを感じる人のほうが多いようです。

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平成26年9月26日開催 内閣府休み方改革ワーキンググループ第一回会議 厚生労働省提出資料より引用

この資料のとおり、平成12年に比べて少しずつためらいを覚える人の割合は減ってきてはいるものの、B君のように「上司に怒られる」とか「皆に迷惑を掛ける」といった理由でためらう人はまだ多いようです。

しかし、実際には、余りに配慮を欠いた有給取得*1が立て続けに無い限り有給休暇の取得を会社が拒否する事や、有給休暇を取得した従業員に対して不利益になる扱いをする事は労働基準法により禁じられています。

また、政府は何年も前から日本人の有給休暇取得率の向上を目指して改革を進めています。まだ決定ではないものの、労働基準法の改正案の中で年5日間の有給休暇取得の義務化が取り沙汰される時代です。

 

厚生労働省労働基準監督署も、次のように有給休暇取得の必要性を訴えています。

従業員の健康と生活に配慮し、多様な生き方に対応したものへ改善することが重要です。 

制度の概要│厚生労働省│都道府県労働局│労働基準監督署

有給休暇取得率向上のため、年次有給休暇の「計画的付与制度」を活用している企業もあります。制度の内容は、5日を除いた残りの日数について労使協定を結べば計画的に休暇の取得日数を割り振ることが出来るというもので、つまり会社が前もって「この日は有給を使ってね」と決める制度だそうです。

会社は労務管理がしやすく、従業員もためらわずに有給を取得出来るから良いように感じます。B君のような考え方の社員が多い会社では有効な制度ではないでしょうか。

しかし、A君のような考え方が既に浸透している会社でしたら、わざわざ会社に決められなくても有給使うから勝手に決めないで欲しい!と反発を生むかもしれませんので、導入にはくれぐれもご注意を……。

 

人事・組織コンサルティング/ビズリードコンサルティング株式会社

bizlead.jp

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*1:職場との調整を全くしない長期休暇など